なんでもポン太




なんでもポン太 (QJクンズー漫画 (02))

なんでもポン太 (QJクンズー漫画 (02))










好きな作家の本は、とにかくひいき目に読んでしまう。この本を買った数年前は、そう思っていた。だって、この本はとにかくデタラメでめちゃくちゃ。クイックジャパンの編集長が「何でもやっていいですよ」なんて言ったもんだから、しりあがり寿がお花畑で真っ裸であれこれやるような、そんな破天荒な漫画なんです。





ほんとむちゃくちゃで、ストーリーなんてものは皆無。原稿用紙にそのまま描いているのもあれば、ボールペンか何かでぐちゃぐちゃにしている吹雪だけの漫画とか。共通しているのは、流しの男が飲み屋の店主に「デタラメ言ってんじゃねえ!!」と怒鳴られて雨の中放り出される最後のシーンだけ。これで出版できるなんて、すごい世の中だなあ。なんて思っていたのですが。





今読み返すと、面白い。むちゃくちゃがなぜか整理されている気がする。計算されている気がする。もちろん、意図なんて無いんだろうけれども、なぜか面白い。「こりゃまいった」と何度も言い続けてしまう。年月が経っても面白いと思えるんだから、これは本物なんだろう。





不条理が好きなわ・た・し。