2011/02/07

MONTSUCHTの公演を見てきました。



女装の私が、浅草橋にあるパラボリカビスでのMONTSUCHT第24回公演「球体増殖→解体幻想」を見てきました。





ペイ*デ*フェのファッションショーに出演されていた本原章一さんからmixiで「やるよ~」との情報をいただき、これは、と。私にはバタイユ『眼球譚』など予備知識無く、だから、理由のわからない強烈な美しさをただただ感じた1時間半でした。





会場となった夜想パラボリカビスでは夜想ベルメール展が長期で開催されています。その展示の一つ「錬金術の夢想世界」という清水真理さん企画の人形展会場が本公演の舞台でした。人間ではない人間の人形に満ちた空間です。客席がひっそりとひしめきあって取り囲む真ん中には黒く細長いテーブル。その上には、白く弱い服を着た(着せられた?)女性らしき白い肌が寝かされています。右奥には楽団が曲を演奏。有栖川ソワレさんがメイドの服で観客を案内する。そしてノイズのチャイムが鳴り公演が始まりました。





 時間は忘れましたがチャイムはとても長く続きました。ドイツの軍服を着た試験官が手持ちのベルで試験開始を告げます。観客は給仕から紙を手渡されます。眼球に関するテストでした。10分間のテスト時間を言い渡され、私たちは記入します。ベルがなり回収される。そして暗転。本当にテストをしたのです。あっけにとられた観客の間を、テストに遅刻した「卵入者」が自分の席を探してさまよいます。見つかりません。会場を後にします。そして軍服がまた現われ、第2問が開始されます。それはイラスト問題でした。観客はそれぞれに思う眼球を問題用紙の余白に描きます。紙をを給仕と軍服が回収します。「次は口頭諮問です」と告げて舞台は暗転。





ここから私の記憶が曖昧になります。人が3人、舞台に登場し、顔を白く塗り、白い人になりました。そして数字を口にし、舞います。白い人は2人になり、舞います。白い人は3人になり、壁に眼球の絵(おそらくテストで私たちが描いた絵)を貼り付けます。そして白い人は1人になり、舞います。





会場を満たす空気がクライマックスへ向けて大きく動きを変えます。試験官が訪れ「ルージュ(赤) オア プラージュ(白)!」と言葉を繰り返す前で、白い人3人が、女性らしき白い肌の上で卵を割る。白い殻に込められた命が放出され、黄色した命にまみれる白い肌。苦しむ白い女。叫び声。私は、もう、この光景に息を飲みなぜか涙が溢れ、ただ「美しい」と感じていました…。音、球体を割りつづける白い人、白い殻から溢れる命、苦しむ女、ベルを振る軍服、走る卵入者、卵入者?。いつのまにか卵入者が現れ何かを叫び紐を引いたのです。天井からシャンデリアが落ち、会場は全くの闇に包まれ、舞台は終わりを迎えました。





長くなりました。





卵が割れて命が放出される。生命を供給する。その色が黄色で白い肌や服の上で映えていた。割り続けられた卵。そこから命が放出され続ける光景を前にして、私はまるで、大量の妊娠女性と対峙しているかのような畏怖を感じ、そして感動していました。予備知識なく見ていた私の眼球に溢れた涙の理由は、卵だからなのかもしれません。





予備知識の無い人に無条件の感動を生み出すパフォーマンスは、それだけのパワーを持っている。場所や人や人との関係や時間といった数々の偶然も影響しているでしょう。パラボリカビスで無かったら。本原さんに誘われたのでなかったとしたら。夜じゃなかったとしたら。そして、私が女装をしていなかったら。私が命、妊娠、結婚について考えていなかったら。どのように感じたでしょうか。終演の後、会場の外で白い顔のままの本原さんに挨拶。場所や時間を変えて、MONTSUCHTの次回公演を見たいと強く思いました。





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