2011/08/16

堂島リバービエンナーレを見てきました。【1】青山悟/アニッシュ・カプーア/森万里子 隅研吾


「堂島リバービエンナーレを見てきました。」

アーカイブ
【1】青山悟/アニッシュ・カプーア/森万里子 隅研吾
【2】杉本博司 永山祐子/チームラボ 柿原照弘/新津保健秀+渋谷慶一郎 浅子佳英
【3】安部典子/磯崎新/大庭大介
【4】池田剛介 原口啓+三木慶悟/藤村龍至/石井七歩


----------

堂島リバービエンナーレを見てきました。メイン会場の堂島リバーフォーラムは京阪中之島線渡辺橋駅から歩いて少しの場所にあります。京阪中之島線といえば2008年10月に開業した新しい路線です。なにわ橋駅の出入り口は安藤忠雄氏がデザインした事で話題にもなりました。ま、私は難波から四つ橋線に乗って肥後橋駅から歩きましたが…。




リバーフォーラムに入るとすぐ左が会場。1階の広い空間がメイン会場となっており、ほとんどの作品がそこに展示されています。2階にはチームラボや杏橋幹彦氏の作品を見ることができます。1階に戻って、リバーフォーラム入口の右にあるエレベーターを4階まで上がるとマーティン・クリード氏の作品が展示されている部屋があります。最後に、実は入場料を払わなくても鑑賞できる作品があります。リバーフォーラム入ってすぐの広場に、池田剛介氏のDesert islandに似た作品(人口の雨が撥水加工された板に降る)が展示されています。涼しげ。




3.11以降の地球のあり方。地、水、気。宇宙からの視点でなければ考えられないんじゃないか、というテーマでしたが。とにかく、一つ一つ、気になった作品をいくつか挙げて書かせていただきます。







青山悟:MIZUMA ART GALLERYで見させていただいた青山氏生涯最後の薔薇の作品を再度見ることができました。これからの地球について考える上で、まず私たちにとって身近な労働について考える。青山氏の一貫した労働というテーマは3.11以降に可視化された価値観の変化を示唆します。資本主義社会の仕組みに編みこまれる労働者。滝の様に降ってくる幸福のイメージが大きく揺らいだ今、明らかに労働への見直しは急務です。(青山氏の作品、薔薇と労働については過去のレビューをご覧ください。







アニッシュ・カプーア「PLACE/NO PLACE」:カプーア氏が関わった建築プロジェクトの模型が30個ほど展示されています。自己が服装に表れるように、建築は内包する人を表します。さらに人と建築物は相互に影響し合います。建築をデザインする彼の模型を見ていると、私自身が認めたくない経験や伝えたい体験がそこにあるかのように感じます。会場にいる人たちは皆、意識せずとも似たような感情を覚えたはずです。生物ではない建築物がまるで人間、もしくは人間達のように見えてしまう違和感。




森万里子 隅研吾「ホワイトホール」:会場の一番奥に白くぼんやりとあるドームが作品でした。ウレタン素材でできたドームの入り口をくぐり、薄暗い中を進むと、うすぼんやりと光る部屋に到達します。光源を探して見上げると、直径1m~1.5mほどのドーム型のライトがあり、その中を白い光が少しずつ少しずつ動いています。これは、ブラックホールの時間事象を反転させるホワイトホールを表現したもの。再生です。ゆっくりと光量を増しながら、中心から外周へ螺旋運動をする光は、ブラックホールに飲み込まれた星。星の再生を表現する10分以上の映像作品は3.11以降の「再生」というキーワードに対する提言に感じられます。




白いドームは隅研吾氏が森氏の映像から着想を得て作成されたインスタレーション。ドームを構成するウレタンは99%以上空気を含んでいます。もはや非物質です。ホワイトホールが再生する環境をできるだけ純粋な状態で見せるために作られた環境は、まるで宇宙です。




しばらくこの空間を楽しんでいると、ほんの一瞬だけ、それは1分にも満たない一瞬でしたが、ウレタンの色や質感がビビッドに見えたのです。(白だと思っていたウレタンは少し黄色がかったやわらかい色をしていました。)森万里子氏が表現した星の「再生」は、ただただ単純に輝かしい未来に向けた「再生」では無かったのではないか。「再生」の過程に最も明るい瞬間があり、その後は小さくなり、慣性にしたがって舞台(ドーム型のライト)から下りていったのです。3.11以降の私たちは再生にあるのかどうか。時間軸の反転による再生はないと思う。